給水装置工事主任技術者常駐
2018.04.06 更新
こんにちは!
例年よりも花粉症の症状がアグレッシブな、
お湯まわり.comの施行スタッフの赤城隆史です!
今日は、意外と知らない
「壁貫通型給湯器の特徴と交換工事など」
について書いてみたいと思います!
長くなりますので、
お気に入りに追加しておいてから、
お時間のあるときにゆっくりお読みください^^
では、本題に入りましょう!
(バランス釜から広い浴槽へのリフォームの工事一例です。
ほとんどの場合、壁貫通型給湯器が使われます。)
壁貫通型給湯器とは、
バランス釜が設置されている、
主に公営住宅に設置できるタイプのガス給湯器です。
販売しているメーカーは以下の3社となります。
現在はリンナイさんが製造しております。
壁貫通型給湯器はバランス釜(BF式)が設置可能な建物でも、
広い浴槽を設置できるようにと開発されました。
対象となるお風呂場の様子がこちらです♪
上の写真のような、
「バランス釜の煙突(給排気トップ)」
が通っている開口部分を利用するため、
「簡単に」しかも「短期間」
でのリフォーム工事が可能なのが特徴です。
壁貫通型給湯器には、
100Vの電源が必要となります。
100V電源を使用することにより、
リモコンで簡単に操作することができます。
(こちらが壁貫通型給湯器専用浴室リモコンです。画像はリンナイ製のリモコンです。)
リモコンで操作できる機能がこちらです。
・電源のON/OFF
・給湯温度の設定37℃~60℃
・追い焚き温度の設定37℃~48℃
・自動運転(フルオート・オート)
→フルオート
・設定した水位までの湯張り、
・追い焚き(沸かし直し)
・音声でのお知らせ
・保温
・残り湯があるとき、
再度自動運転をしてもあふれない。
→オート
・設定した水量の湯張り、
・追い焚き(沸かし直し)
・音声でのお知らせ
・保温
・残り湯があるときに再度自動運転をすると、
設定した水量がまた足されるので、あふれる。
・水位・水量の設定
・保温時間の設定
・予約運転時間の設定
・音量の設定
・足し湯、足し水ボタン
などがあります。
オートとフルオートについて詳しく書いた記事がありますので、
こちらも併せてお読みください^^
壁貫通型給湯器の取り付け・交換工事の際、
「ビス穴・配線穴以外の穴」
を新たに建物に建物に開けずに済むので、
建物の寿命に影響を与えないところも大きな特徴です。
現在バランス釜がついている建物であれば、
煙突が差し込まれている開口部を利用するので、
取り付け交換工事を行うことが可能です。
都営住宅や一部の分譲マンションでは、
廊下側に排気するため、
「チャンバー室」
と呼ばれるスペースがあります。
(この銀理路の掃除ロッカー的なのが、「チャンバー室」と呼ばれるものです。)
この「チャンバー室」に設置する場合、
チャンバー室内の煙突(排気筒)と接続するため、
互換性を持つ部材が別途必要となります。
その他、
浴室内に縦長の窓(サッシ)がある建物もあります。
その縦長の窓(サッシ)の部分から、
手前に壁までの厚みが7cm以上の場合、
壁貫通型給湯器を少し手前に設置するための、
専用のアダプターが必要となります。
(この写真の窓の下の、銀色の奥行のある箱のようなものがアダプターです。
こちらは奥行きが9cmあったため、このアダプターを使えば設置可能です。)
ちなみに、
URの建物では、
建物の壁の厚みが一部分だけ厚い建物があるため、
壁貫通型給湯器「厚壁用」を選ばないといけないところもあります。
壁貫通型給湯器は、
バランス釜が設置されている建物であれば、
ほとんどの場合取り付けることができます。
「共有ダクト設置専用バランス釜」
だけは壁貫通型給湯器への交換工事はできません。
「共有ダクト設置専用バランス釜」
が設置されているところに、
無理やり壁貫通型給湯器を取り付けると
不完全燃焼を起こすので、
壁貫通型給湯器本体の寿命が短くなります。
それだけではなく、
その壁貫通型給湯器を使用し、
排気ガスが共有ダクト内に充満することにより、
ほかの部屋のバランス釜に影響が出ます。
影響を与える主な原因は、
「壁貫通型給湯器がダクト内の酸素を使いすぎる」
ところにあります。
ダクト内の酸素を使いすぎると、
ほかの部屋のバランス釜が燃焼するために必要とする、
「空気中の酸素の量(濃度)」が少なくなります。
そのため、
壁貫通型給湯器は不完全燃焼しながらもなんとか動いているのに、
「周りの部屋のバランス釜の火が付きにくくなる」
なんて事になってしまいます。
不完全燃焼を起こすと人体に非常に有害な、
「一酸化炭素(CO)」が発生します。
一酸化炭素は、
濃度によっては吸い込むと即死することもあります。
ユニットバスに
「共有ダクト設置専用バランス釜」
が設置されているお部屋で、
不完全燃焼なんかが起こってしまったら、
実は結構大変なことになってしまうんです。
建物のダクトのコンクリートの壁(躯体)と、
ユニットバスの間には約3~5cm程の隙間があります。
本来であれば共有ダクト設置専用品を設置する場合、
「ユニットバススリーブ」という、
排気ガスがその隙間に入ってくるのを防ぐ部材を使用しますが、
使われていない建物がほとんどです。
これがない状態で不完全燃焼を起こすと、
ユニットバスとコンクリートの壁の隙間に、
「一酸化炭素」が入り込みます。
そうすると、
一酸化炭素が壁の隙間を通り、
浴室だけではなく、
いろんなお部屋に侵入します。
なので、
窓を閉め切った季節なんかは、
「なんだかめまいがする」
「なんだか気分が悪い」
などの、
体調不良の原因となることも。
なので、
「共有ダクト設置専用バランス釜」
が設置されているところには、
どんなにすすめられても
「壁貫通型給湯器」は絶対につけてはいけません。
あろうことか共有ダクト排気の建物に、
「壁貫通型給湯器16号フルオートタイプ」
が設置されていたこともありました。
命にかかわることなので、
業者選びは慎重に。
「共有ダクト設置専用バランス釜」
が設置されているのであれば、
ユニットバスではなく、
コンクリートとタイルのお風呂のほうが、
圧倒的に安全です。
ちなみに、
「共有ダクト設置専用バランス釜」
が設置されているユニットバスで、
浴室内に換気扇がついている場合は要注意!
共有ダクト内の排気を吸い上げて、
「ユニットの継ぎ目や隙間」から、
浴室内に入り込んでくる恐れがあります。
そのため、
ダクト設置に限らず、
バランス釜がついている浴室には、
浴室内換気扇をつけることはオススメしません。
壁貫通型給湯器の価格の相場は、
戸建てやマンションでおなじみの壁掛け給湯器に比べ、
2~3倍くらいとなっております。
それはなぜか?
答えはとても簡単です。
壁掛け給湯器と同じくらいで回っていれば、
価格も落ちてくると思いますが、
壁掛け給湯器と同じくらいで回ることは、
今後絶対にあり得えません。
実のところ壁貫通型給湯器は壁掛け給湯器と較べ、
仕入れの段階で2倍以上の価格の差があります。
それが、
「壁貫通型給湯器の価格」
というわけです。
当社では少人数で動いているため、
他社さんと比べて価格を抑えて提供しておりますので、
ご安心ください^^
実は、
壁貫通型給湯器の取り付け・交換工事には、
それなりの部材が必要になります。
・水道フレキ管(給水・給湯)
・強化ガスホース(両端の専用金具を含む)
壁貫通型給湯器に使用する配管ですが、
強化ガスホースは1メートル以上、
水道フレキ管は4m程必要となります。
それだけではなく、
・分岐継ぎ手
・ガス継ぎ手
・フレキ用専用ナット
・コンクリートにビスを留めるための専用部材
・多様な長さのビス
・浴槽に穴をあけるためのホールソー
・水栓金具の設置穴をあけるためのホールソー
・専用工具
などなど、
挙げればきりがないくらいの部材や消耗品を使用します。
そのため他社さんでは、
「工事中にいきなりいわれる追加部材代」
が発生することがあります。
当社では、
よっぽどでなければ見積もりでお伝えした金額とは別の、
追加部材代は請求いたしません。
また、追加でかかる専用部材や、
工事の際に発生しそうな費用については、
事前にお伝えいたしますので、
ご安心ください^^
答えは、
「建物によります」
です。
現在ついている風呂釜が、
四角い煙突の風呂釜か、
もしくはチャンバー室内設置の風呂釜であれば、
ほとんど取付・交換が可能です。
こんな感じであれば、
ほとんど設置することができます。
(写真は壁貫通型給湯器ですが、こんな感じの煙突が出ていればOKです!)
(はたまたこんな感じの開口部分が浴室の壁にあればベストです!)
(掃除ロッカー的な「チャンバー室」と呼ばれる場所です!)
ただし、
チャンバー室内の奥行が40cm未満の場合、
壁貫通型給湯器の取付は不可能となります。
「どうしても設置したい!!」
ということでしたら何とかできますが、
今よりも洗い場がかなり狭くなります。
なので、
無理は禁物です。
以下の写真の風呂釜からの工事は、
木造住宅以外では不可能となります。
(上のほうに煙突が伸びている2本管の風呂釜)
(上のほうに煙突が伸びている1本管の風呂釜)
上の写真のように、
1~2本の煙突が真上から伸びているタイプですと、
壁貫通は設置できません。
団地によっても様々なので、
「同じ団地内でも隣りの棟は設置できない」
「部屋によっては設置できない(例・河原町団地)」
なんてこともよくあります。
現在公営住宅にお住まいで、
交換・取り付けをご希望の方は、
まずはお電話にて取り付け可能かなど、
お気軽にご相談ください^^
最後に、
バランス釜から壁貫通型給湯器への交換、
リフォーム工事にかかる時間についてお話しします。
わかりやすく画像を見ながらご覧ください^^
まずは、
交換工事前の写真です!
配管を外し、
浴槽を運び出します。
ここまでで5分くらいです。
次にバランス釜本体を外し、
壁貫通型給湯器を開口部に差し込んで固定します。
固定しただけでは使用できないので、
・ガスホース
・水道管
・浴室リモコン
・100v電源
を接続します。
接続するといっても、
すでに長さが調節されたものを使用しているわけではありません。
現場ごとにホース、水道管、電線などの長さが違うため、
どこかに干渉したり、
極端な水圧低下を起こさないよう、
考えながら作業していきます。
ここまでの所要時間は、
すんなりいけば1~2時間くらいです。
最後に、
今回のメイン!
幅の広い浴槽を設置します^^
浴槽もただ置くだけではありません。
水が入った時に動かないことはもちろん、
空っぽの時に体重をかけても転倒しないよう、
壁に穴をあけて固定します。
固定しないと、
浴槽が前に出ていたり、
傾いた状態での設置という状況になります。
施行スタッフ赤城は、
やるならピシッ!とやりたいので、
ここのバランスなどにはかなり気を使います。
で、
設置後に自動湯張り運転を行い、
正常に動くことを確認してから、
作業完了となります^^
試運転を含めた最終的な所要時間は、
約3.5時間~5時間です。
もちろん、
建物の階数や駐車場までの距離
現場の施行のしやすさなどにもよりますので、
もう少し早かったり、
思いのほかかかってしまったり、
なんてこともよくある話です^^
「ん!?約3.5~5時間でできるの!?」
「2日くらいかかるんじゃないの!?」
それはいい質問ですね~♪
そうなんです。
99%の現場は、
1日かからずに完了します^^
なので、
午前中に作業をスタートすれば、
ディナーの前に新しくなったお風呂を楽しめます^^
しかも、
ボタンを押すだけで準備ができるので、
食事の支度をしている最中に、
何度もお風呂場へ確認しに来る手間が省けます^^
なので、
集中しておいしい料理を作ることができます!
また、
ボタン一つで準備ができるので、
「お風呂洗って自動ボタン押しといてねー!」
と、
お子様がお手伝いをするキッカケ作りにもつながります^^
以上が、
「壁貫通型給湯器の特徴と交換工事」
についての説明となります^^
バランス釜から壁貫通型給湯器に変えた方は、
「もっと前から換えておけばよかったー!」
と口を揃えておっしゃられます^^
壁貫通型給湯器と広い浴槽のセットで、
快適で楽しいバスタイムをお過ごしください^^
とっても長くなってしまいましたね!
最後までお読みいただき、
本当にありがとうございますm(__)m